嫌な奴(ロード・ロス×グラブス)ギャグっぽい
ぼくの家族はロード・ロスという魔将に殺されてしまった。だからぼくは絶対に奴を許すわけにはいかない。
…それなのに、なぜ奴はぼくの目の前にいる!?
「ロード・ロス!!」
「どうしたのだ、うん?グルービッチ君」
こいつはぼくのことをグラブスではなくグルービッチと呼ぶ。
「なんでアンタがここにいるんだ!」
「わたしはおまえに会いに来たのだ。愛おしいグルービッチくんの元にな」
はぁぁ!?ぼくに会いに来ただと!?ぼくは嫌悪な眼差しでロード・ロスを見た。
「あぁいいぞグルービッチ。その嫌悪な眼差し…もっと憎しみを苦しみをわたしに…」
しまった!ロード・ロスは負の感情を力にするのだった。ぼくはすぐさま違うことを考えた。
「どうした?グルービッチ?もっと憎まないか、」
「へ!憎むことなんかないよ!ぼくは今からビルEと遊ぶんだ!」
ぼくはとっさに嘘をつきロード・ロスから目を離し階段を降りていった。すると後ろから奴もついてきた。
「ついてくるな!」
「ふふっ、いい顔だな、グルービッチよ」
ロード・ロスはニマニマとぼくを観察をする。またやってしまった。怒鳴りつけてはコイツを喜ばすだけ。ぼくはニコッと笑顔でロード・ロスに視線を向けた。
「ねぇロード・ロス、ぼくとチェスしない?」
ぼくがロード・ロスにチェスの話しを持ち掛けると、ヤツは物凄い嫌な顔で断ってきた。
「止めろ!おまえとチェスをしてもつまらんわ!わたしのチェスを汚すようなおまえとはな!それにおまえは先ほどビルEとやらと遊ぶとは言っていなかったか?」
「さぁ?忘れちゃった」
ぼくは忘れたふりをした。
「それより残念だな。ぼくロード・ロスと楽しいチェスがしたかったのにな」
「楽しいだと!?なんと嫌な言葉だ!吐き気がするわ!」
ロード・ロスはぺっと床に唾を吐いた。あぁ!いったい誰がその床拭くと思ってんだよ!このぼくなんだよ!だけどここで怒っちゃいけない。奴を喜ばすだけだ。
「吐き気なんてしないよ。楽しくやろうよ」
ぼくがチェス盤を持ってくるとロード・ロスは一歩後ろに下がった。
「おまえとはやらんと言ったらやらん!」
「そんなこと言わずにさ」
ほらほら。ぼくがロード・ロスにチェス盤を押し付けると、ロード・ロスの眉間に皺が寄っていった。その表情見るだけでぼくは楽しくなってきた。
「やろうってば〜」
「ええい!気分を害した!わたしはデモナータに帰る!」
ロード・ロスはぼくに怒りをぶつけるように言うとふっと姿を消した。感じていた魔力が無くなり、窓が閉じたのだとわかった。
ぼくはダービッシュおじさんを起こすのに後から気づき、再び階段をあがっていった。
次にロード・ロスが現れたらもっと楽しい話をしてあげよう。そして奴の苦痛に増した顔を見て笑ってやろうと、ぼくは心に決めた。
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