ゆびきりげんまん(スティーブ×ダレン)狂甘
ゆびきりげんまん うそついたら はりせんぼん のーます ゆびきった
「"指切りげんまん"って恐ろし約束だよね」
ぼくはダレン。ダレン・シャンだ。ぼくはスティーブにどうでもいいことを話した。だって暇だったから。外は雨が降っていて遊びに行けないし。家の中にあるゲームは全部やりつくしてしまった。漫画も全て読んでしまった。
「俺は恐ろしいとは思わないな。むしろ素晴らしいと思う」
スティーブは両手を広げぼくにそう言った。ぼくはなんで、と聞く。
「だってよ、"嘘ついたら針千本飲ます"だぜ?」
「だからそれが恐ろしいんだってば。針千本を口の中に入れるなんてたまったもんじゃない」
「そこがいいじゃないか。絶対にしたくない行為。針千本なんか飲めるやつなんかいない。だから"指切りげんまん"っていうのは絶対の約束。絶対に敗れない約束なんだ」
「…うん、確かに、」
ぼくはうんうんと頷いた。
「そこでだ、シャン君よ。私と一つ約束しないか?」
スティーブがぼくを呼んだ。
「なんでありましょうか」
将軍、とぼくが最後に付け足すと、スティーブは真顔で言ってきた。
「俺を裏切らないって約束だ。なにがあっても裏切らないって約束をするのだ」
ぼくは思わずふいてしまった。
「あはは!なんだよそれ、そんなの約束じゃないよ」
ぼくはスティーブの肩に腕を組んだ。スティーブはちょっとむっとしたような顔でぼくを見ている。
「それは約束じゃない。誓いだよ。…というより、そんなの言わなくてもぼくはスティーブを裏切るようなことはしないさ」
「…ダレン」
スティーブはぼくの名前を一言呟くとなんとぼくを抱きしめてきたのだ!
「スティーブ!?」
ぼくは慌てたけどスティーブはぎゅ〜とぼくを抱きしめたまま離そうとしない。
いったいどうしたというのだ。
「………」
なにも言わずただ抱きしめてくる友達にぼくはため息をつき、ぽんぽんと子どもをあやすように背中を叩いてあげた。
「覚悟しろ!約束を破った、裏切り者のバンパイア、ダレン!」
バンパイアとなったぼくにスティーブは残酷なことを言い放つ。
(約束を破ったぼくは針千本飲まされてしまうのだろうか!?そんなの耐えられない!)
[次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!