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パイナポーと遭遇


ガチャ


『雲雀さーん、こんにちは!』


「クフフ、こんにちは。」


『ぎゃあ!雲雀さんじゃない。何このパイナポー?』


「君、なかなか失礼ですね。地獄を見たいですか?」


『いえ、滅相もありません!パイナップル様!』


「パイナポーでもパイナップルでも大差ありません!」


『え〜?はぁ、もう面倒くさいな〜。通行人Aさんは何故応接室にいるんですか?私、雲雀さんに会いに来たんですけど。』


「うわぁん、何かこの人嫌だ、もう僕帰る!千種ー!ちーくーさーっ!」


「ごめんなさい、なんかこの人、どうしても雲雀がいない時に応接室のソファーに座って雲雀が帰って来るのを待ちたい、って我が侭言ってきかなくて。」


『うわぁ、純情な乙女心ですね〜。』


「違います!想像してみて下さい。帰ってきたら応接室がのっとられているのに気づき悔しがる雲雀くんの姿を!!クハハッ見ものですね!」


『あ、それ面白そう。』


「嘘。この子ノッちゃったよ。」


「分かってくれますか!よし、ではノリの悪い千種を置いて二人で雲雀くんを悔しがらせましょう!」


『アイアイサーッ!』


「え、もうなんなの?なんか凄く屈辱なんだけど。俺帰ってもいい?」


ガチャ


「クフフ。こんにちは、雲雀くん、応接室は完全にのっとられています。」


『クフフフフ…。』


「もうどうでもいい。めんどい。」


「………………。」


ガチャ


『えー―!?ちょっと無言のままドア閉めちゃったんですけど。Aさん、どうしよう!』


「い、いえ、きっとドアの外で悔しがってるんですよ。というか“Aさん”ってなんですか?いつまで通行人Aを引きずる気ですか?僕は骸です。六道骸。」


『いや、そんな事どうでもいいんだけどさ〜、ちょっとドア開けてみてよ、英吉。』


「英吉?や、僕、本当にAとか関係ないですから。骸ですから、むーくーろー!」


ガチャ


『あ、開いた。』


「雲雀くん!君はきっと開けてくれると信じてました。」


「…………………なんでここにいるの?英吉。」


「え゛、いや、だから英吉じゃ…」


『英吉さんは、応接室をのっとりに来たらしいですよ。物騒ですね。』


「え、さっきこの子、骸様と一緒にノリ気じゃなかった?」


「ふぅん、ちょうど退屈してたんだ。闘ってあげてもいいよ。」


「クフフ、やる前から勝敗は決まったようなものですがね。さぁ、地獄を見せましょうか。」


『雲雀さん、美味しいケーキ屋さん見つけたんです。一緒に行きませんか?』


「いいよ、じゃあ行こうか。」


「え、ちょっと雲雀くん。僕との闘いは?放置する気ですか!?」


『あそこのモンブラン、甘さ控え目で凄く美味しいんですよ。あの店一番のオススメです。』


「ふぅん、じゃあそれ食べてみようかな。」


「え、シカト?シカトですかー―っ!?」


「骸様、もう帰りましょう。」


「もう、あの二人嫌!!キィー―ッ!」



(大好きな戦闘よりも、大好きで大切にしたいものがあるんだよ。)




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