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コオロギじゃない


リリリリリーン


リーン


「秋っぽくていいね、コオロギ?」


『違いますよ〜。草雲雀です。』


「草雲雀?」


『はい、コオロギに似てますけど違うんです。』


「クサヒバリ?」


『だからそうですってば。雲雀さん、なんか顔が険しいですよ?』


「クサヒバ……。」


『あ。』


『「クサヒバー――っ!!!」』


『いえ、私そんな意図があったわけでは……っ!』


「ちょっと草壁を咬み殺してくるよ。」


『や、ちょっと、それ八つ当たりでしょう!草壁さんが可哀想ですからやめましょう!』


「大丈夫、ちゃんと救急車は呼んであげるから。」


「委員長、この前言われていた書類を提出しに来ました。」


『ぎゃあー――っ!タイミング最悪!』


「やぁ、草壁。タイミング最高だね。準備はいいかい?」


チャキン


「へ?は…?え゛ー――っ!?委員長何故トンファーを構えてらっしゃるんですかァァアア!?」


『草壁さん、悪い事は言わない!早く逃げて!』


「まさか、逃げる気なんてないだろうね?」


「本当一体何があったんですか!?」



(僕と草壁がそんな仲なわけないじゃないか。だって僕が好きなのは……。)




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