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10回ゲーム


『雲雀さん、今ちょっと暇ですか?はい、暇ですね。なら少し付き合って下さい。』


「君にはこのデスクを覆い隠さんばかりの書類が見えないの?」


『で、何をするかというと…』


「(スルー?完全にスルーされた!)」


『10回ゲームです!』


「……なにそれ?」


『私が雲雀さんに特定の言葉を10回言ってもらって、その後に一つ質問するっていうゲームです。』


「…………それ、どこが楽しいの?」


『一見無意味なように思える事にこそ大切なものが詰まっていると思いたい。』


「願望ォォオ?はぁ。もう、いいよ。何をすればいいの?」


『ピザって10回言って下さい。』


「ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ」


『じゃあ、ここ(腕の関節)の名前は?』


「ふふっ、ピザって言うと思ってるんだろ。僕を誰だと思ってるの?並盛中風紀委員長だよ?――ヒザ。」


『………………。』


「何?」


『アヒャハハハー――!ヒザ?ヒザー!?凄く勝ち誇ったような笑みを浮かべているとこ悪いんですけど、そこがヒザなら、ここ(足の関節)は何ていうんですか〜?』


「うっ、…………ヒザ。」


『アハハハハ!』


「次。」


『へ?』


「早く、次の問題。次は僕が勝つ!」


『いいですよ〜。じゃあ、シャンデリアって10回言って下さい。』


「シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア」


『毒林檎を食べて死んだのは?』


「シンデ(危ない、危ない引っかかるところだった)――白雪姫」


『白雪姫の話、ちゃんと知ってます?』


「知ってるよ、王子が死体にキスして白雪姫が甦るとかいう変な話だろ?あ゛ー―っ!」


『はい、そうですね。白雪姫は死んでません。ざ〜んね〜んで〜した〜!』


「次ーっ!」


『はい、じゃあ、愛してるって10回言って下さい。』


「愛してる、愛してる、愛してる、愛してる、愛してる、愛してる、愛してる、愛してる、愛してる、愛してる」


『そんな……雲雀さんに愛してるだなんて言われたら照れちゃいます。』


「君が言わせたんだろー!?」


『あはは、楽しかったですね。じゃあまた!』


「…またね。」



(本当はただ“愛してる”って言ってみて欲しかっただけ)




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