ダイエット
『どうしよう、どないしよ、どげんかせな。』
「‥‥、君一体どこの人?」
『雲雀さんが、雲雀さんがっ‥‥!』
「え、僕?なにかした?」
『雲雀さんがまるまると太ってたほうが可愛いって言ったから、』
「いや、僕、そこまでは言ってないよね。」
『私あれからも冬休み同様たくさん食べてたんです。』
「君、ちょっと人の話聞こうよ。」
『そしたら、顔だけじゃなくて、二の腕とか、ふとももとかがっ、‥‥目もあてられない状況にっ!』
「そんなに変わった?そうは見えないけど。」
『雲雀さん優しいっ!でももうそんな甘言には騙されません!』
「いや、騙すつもりなんて、」
「クハハ、そうですよ、雲雀くんの言うことに騙されてはいけません。」
『あ、パイナップルさん。』
「‥‥骸です。」
『ごめん、私が悪かったから、そんな部屋の隅でいじけないで下さい。ね、骸さん。』
「‥いじけてません。僕が君のダイエットを手伝って差し上げましょう。僕が手伝えば、食べたいものを我慢することなく食べながら、楽しくダイエットできますよ。」
『ま、まじすか!』
「いやいや、そんないかにも怪しい誘いに乗らないでよ。僕の言葉なんかよりよっぽど騙されちゃいけない甘言だよね、それ。」
『一体どんなダイエットなんですかっ?』
「クフフ、名付けて、幻覚ダイエット!内容はいたってシンプル。食事の前やおやつの時間に、幻覚で作りだされたご飯を少し食べるだけ。幻覚なので食べても太りませんし、満腹感を感じた錯覚をおこすので、普段の食事の量を無理なく減らすことができます。」
『おぉっ!』
「いや、そんな怪しいもの口にしたくないんだけど。」
「し、か、も!今だけ、カロリー計算までついてます!一日に必要なカロリーを気にしながらの食事は、健康やお肌の為にはとても大切です。しかしめんどうでなかなかできないもの。それをなんと、今幻覚ダイエットをすると決意していただいたら、毎日ちゃんと計算してあげますよ、千種が。」
「君がやるんじゃないのかよ。」
『やりますっ!私やります、幻覚ダイエット!』
「クフフ、君ならそう言ってくれると思ってましたよ。そうと決まったら黒曜ヘルシーセンターへ行きましょう。千種がカロリーを計算しながら毎日ご飯をつくってくれますよ。」
『はい、行きましょう!雲雀さん、私行ってきますね。』
「え、ちょっと待、」
「では、Ci vediamo.(またお会いしましょう)」
『チ ベディアーモ!』
ガラガラッ
「‥行っちゃった。」
(初お泊り、初お泊り!)
(ダイエット、ダイエット!)
(はぁ、‥‥早く帰ってきてよね。)
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