腕章と学ランの謎
『風紀委員って、皆腕章してますよね。』
「うん、そうだよ。」
『何か高級そうですよね〜。生地の質感とか、金糸の刺繍とか。どこで発注してるんですか？』
「発注？」
『え？制服作るとことか、どこかに依頼して作って貰ってるんじゃないんですか？(だって実際の並中の制服じゃないから……。)』
「草壁が一つ一つ作ってるよ。」
『………え゛？この明らかにプロの仕事だろ！な刺繍とかも？』
「うん。だって副委員長だから。」
『……。(副委員長って、こんな事も仕事に入るんだろうか。)』
「新しい風紀委員が入ってくる度に草壁が夜なべして作ってるんだよ。」
『草壁さんってお母さんっ！？(もうだめだ。これ以上つっこんじゃだめだ。話を変えよう！)…そ、そういえば、学ランって並中の旧服なんですよね？まだ制服販売店で売られてるなんて凄いですね。』
「いや、並中の制服がブレザーになった時点で、もう学ランは販売されなくなったよ。」
『え？だったらどうやって……？はっ！(何かまた嫌な予感が！)』
「草壁が一つ一つ作ってるよ。」
『………。』
「だって副委員長だから。」
『……草壁さんって職業なんでしたっけ？』
「並中の生徒であり、風紀委員の副委員長だよ。」
『ですよね、そうですよね。あはは……。』
(副委員長の知られざる功績。)
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