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豆まき


──バタンッ


『雲雀さーん、こんな休日に呼び出すなんて、何か急用ですかー?……って、え?草壁さん、何それ……?角?』


「やあ。よく来たね。今日は節分だから、豆まきをしようかと思ってね。」


『三人で?』


「うん。」


『普通お面ですよね。何で角だけなんですか?』


「草壁は顔がいかついから、角だけで充分だよ。それにお面だと顔にぶつけられないじゃないか。」


『(何か危ない発見が聞こえた気がするけどきっと気のせい!そんなまさか“顔にぶつける”だなんて、聞き間違いよね!)でも鬼って、草壁さんより雲雀さんの方があってるような……。』


「去年は僕が鬼で、風紀委員皆で豆まきをしたんだ。」


『へえ、何か仲良くて微笑ましいですね。』


「だけど、一人も豆を僕に投げつける命知らずな奴はいなくてね。」


『……え゛?』


「結局豆まきにならなかったんだよ。」


『……全然微笑ましくないですね。』


「だから僕は思ったんだ。本当の鬼だったら皆怖くて投げつけられないんだなって。」


『この人自分で言っちゃったよ。自分、鬼だって言っちゃったよ。』


「それで、今年は草壁が鬼なんだ。」


『え、勿論ちゃんと手加減して投げますよね……?(雲雀さんにかかったら例え豆でも殺傷能力が凄まじいから!)』


「手加減?そんな事したらちゃんと厄災が祓えないじゃないか。」


『(絶対それ口実だー!ただ日々の鬱憤をはらしたいだけでしょう!)く、草壁さんいいんですかっ?大丈夫なんですかっ?』


「大丈夫さ。」


『(あ、結構普通そう。心配する事なかったかな?)』


「もう覚悟は出来ている。我が人生に悔いはなし。」


『えぇーっ!?って、いやいや、ダメでしょう!そんなもう散る覚悟まんまんじゃないですか!』


「さあ、始めようか。」


『ひ、雲雀さん、なんですか、その巨大な豆袋ー!!普通、升にとかもっと小さい物に入れますよねー!って草壁さん早く逃げて!逃ーげーてーっ!』



(「うっ…、身体中小さな痣だらけなんですが……っ!」)

(「生きてるだけ幸せだと思いなよ。」)




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あきゅろす。
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