南国フルーツ
『雲雀さん、なんか並中応接室宛に贈り物が届いてますよ。』
「ふうん、それ何?」
『南国フルーツの詰め合わせみたいですよ。美味しそうですね。』
「……誰から?」
『え?あれ、送り主の名前がないです。……あ、なんかMDが入ってます。えっと、タイトルは“雲雀くんへ”です。……ボイスレターかな?聞いてみましょうか。』
「……凄く嫌な予感がするんだけど。」
『MDプレイヤー借りますね。』
ピッ
──クフフ…こんにちは、雲雀くん。果物の美味しい秋がやって来ましたね。南国フルーツの詰め合わせを送ったので、是非食べて下さいね。
──骸様、南国フルーツは日本のじゃないから、実りの秋とは関係ないと思います。
──柿ピ、ばっかじゃねぇの?骸さんがパイナッポー好きらから送ったんらよ!秋だとか言ったのはただの季節を気にかけてる風流人アピールなんらびょん!
──犬………クフフ…
ドカシャッ
──キャンッ
──というか犬、風流人ってちゃんと意味分かってる?
──なっ!そんなん当たり前らろ!わっ、分かってるびょん!
──じゃあ何?
──えっと……パイナッポー…?
──犬、それ違うよ。
──何ですか、それは!だったら風流人アピールって“パイナッポーアピール”のつもりだったんですか!?
──骸さんはそんなアピールしなくても充分パイナッポーらびょん!
──そうですか…クフフ………クハハハハッ!
ドガグシャーッ
──キャンッ
──あ、もうすぐタイムリミットです。
──えっ!?そんな……。じゃあ何か、最後に締めみたいな…キメ台詞のようなものを言いたいです!
──はぁ。じゃあもう、“堕ちろ。そして巡れ。”とかでいいんじゃないですか?
──クフフ…そうですね。堕ちろ。そして巡れ!
──……柿ピ、かっこよくきまったとこわるいんらけろ、それ今と関係なくね?
──犬、ほっといた方がいいよ。それに骸様が気付いたらまたうるさくなる。
──千種!?犬!?うるさくなるって何ですかー!?
──まんま今の骸さんの事らびょん。
──もう、嫌ですー!千種ー、最初から録り直してくーだーさーいー!
──めんどい…。それに、これもすでに五回目じゃないですか。何回やっても大して変わらないので、このまま送ります。
──はぁい、じゃ、黒曜かられしたー!
ピッ
『……。』
「………。」
『……あは…個性的なお友達ですね。こんなに果物頂いたんですからお礼をしなきゃいけませんね。』
「……そうだね。…ちょっと今からお礼(参り)に行ってくるよ。」
『(今なんか、お礼“参り”って聞こえたんですけどー―!?)』
「じゃあね。」
『いっ、行ってらっしゃい…。』
(『結局何をして来たんですか?』)
(「奴らのアジトにパイナップルを沢山投げ込んできたよ。」)
(『(ある意味ダメージでかい!)』)
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