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◇狭い心(剣やちif…)
「うああ…溶ける…暑い…」
 やちるは仰向けに両手足を広げて、大の字になって横たわっていた。
「……襲うぞ」
 だらしのないやちるの姿を見下ろし、剣八が呟く。
「…暑いから、勘弁…」
 やちるは首だけを持ち上げ、剣八を見返し力ない笑みを浮かべる。
「…ったく」
 剣八はやちるの傍らに置かれていた団扇を手にし、やちるを扇ぐ。
「おおおお、涼しい〜」
 剣八によって風を送られ、やちるうっとりとし口元を緩ませる。
「剣ちゃん、ここもここも」
 襟元を広げ胸元に風を送るよう、促す。
「……襲っていいのか?」
「深刻なのよっ!胸でかいと暑いんだからっ!谷間に汗溜まって気持ち悪いんだからね!」
「……」
 やちるの剣幕に、剣八は思わず黙り込む。
「ううっ、怒鳴ったら暑くなっちゃった…。あづ〜」
 普段元気なやちるがここまでだれるのだから、相当暑いのだろう。
「…乱菊ちゃんが、胸肌蹴てるの解った気がするよ…あたしもあれ真似ようかな…」
「止せ」
 やちるの呟きに即座に反応し、止める剣八。団扇を扇ぐ力が知らず強くなる。
「ふえ?」
「……いくらでも扇いでやるから、あの女の真似は止せ」
「剣ちゃんがそう言うなら止める」
 剣八の言葉にやちるは満面の笑みを浮かべ、素直に頷き、剣八によって作られる風に心地よさそうに目を細めた。



 やちるの胸は俺だけのモンだ。
 見せてたまるか。





久々の剣やち。剣ちゃんの心の狭さに磨きが掛かってます(笑)

20060714〜20060721

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あきゅろす。
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