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◇春眠暁を…(京七)
誰が言い出したのか。
そして、その言葉全てが免罪符になるようで、七緒は釈然としない。水でもぶっかけて、今目の前で眠っている、男を叩き起こしたい気分である。
笠の下からは、鼾が聞こえ、実に気持ち良さそうに眠っている。
「隊長、起きてください」
「……」
「隊長、もう起きていらっしゃるんでしょう?」
「……」
馬鹿馬鹿しい。虚しい気分になってくる。
天気が良くて、確かに昼寝には最適だ。
気持ち良さそうに眠り続ける春水が、段々憎らしくなってきた。
七緒は、本をそっと脇に置きその上へ眼鏡を置き、勢い良く春水にダイブした。
「ぐはっ」
腹と胸に同時に勢い良く体重が掛かり、流石に目が覚める。
「な…七緒ちゃん?」
笠を上げ、自分の体の上の七緒を見る。春水の大きな体は、七緒の身体が乗ったところでびくともしない。
「あふ…」
七緒は小さく欠伸をして目蓋を閉じる。どうやら、春水の身体をベッドにして眠る事にしたらしい。逞しい胸に頭を預け、静かに呼吸を繰り返す。
「……ま、いいか…ふああ…」
七緒の欠伸が移り、春水も大きく欠伸をする。七緒の頭を撫で、軽く抱き締め目蓋を閉じる。
温かな、春の日。
陽気に誘われて、誰もが眠くなるのです。
たまには、七緒ちゃんが眠るのもww
20060415〜20060427
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