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◇ホワイトデー(ギン乱+日桃?)


「なぁなぁ、見てや〜」
「……」
「なぁって」
「……松本…」
 乱菊に五月蝿く纏わりつくギンに、冬獅郎が何とかするよう名を呼びかける。
「なぁ〜!」
「市丸隊長、今は執務時間内です。私用は休憩時間か…」
 乱菊は大きく溜息を吐き、真面目にきりりとした低く通る声で、注意を促す。背後のギンは一瞥すらしない。
「だって、待てへんもん」
 ギンは話を遮りキッパリと。
「なぁ、乱菊喜ぶ思うて、こんなんしとるんよ。見てや」
「………松本…見てやれ…」
 早く去って欲しい一心から、冬獅郎が促す。
「……はぁ…全くなんなのよ…」
 乱菊は愚痴を吐きながら、背後に張り付いていたギンを見上げる。
「…あはははは!!何あんたそれ!!」
 乱菊は指さし遠慮なく爆笑する。
「キツネさんや」
 耳と尻尾だけでなく、ご丁寧に髭まで生やし其処にいた。尻尾は嬉しそうに横に振られている辺り、犬科だと伺える。
「乱菊、気に入ってるんやろ?」
「…冗談は格好だけに、しといて欲しいもんだな…」
 冬獅郎は額に青筋を浮かべ、指を机にコツコツとリズムを刻み打つ。
 これで、乱菊が仕事をしなくなるのは目に見えている。
「日番谷君…て、あ、市丸隊長…どうされたんですか…」
 そこへ桃が顔を出した。腕の中には書類が抱えこまれている。
「雛森…」
 心なしか頬が染まる冬獅郎。
「やあ、雛森ちゃん。何、今日はホワイトデーやからね、乱菊にお礼しにきたんよ」
「…それで、その…狐…ですか?」
 桃は唖然としてギンを見る。
「そうや。あっと、そうそう、ほい、ちゃんとホワイトデーのプレゼントも持ってきたんよ」
「先にそれを出しなさいよ」
 乱菊は遠慮なく手を差し出す。
「ほい」
 差し出された手にではなく、乱菊の首に毛皮の襟巻きを巻きつける。
「何?今頃襟巻きなの?」
「ええやん。フォックステイルの襟巻きや」
「…洒落?」
「うん」
 嬉しそうに満足げにこっくりと頷くギン。
「……ま、ありがたく貰っとくわ」
「おおきに」
「何いってんの、それはあたしの台詞でしょ。おおきに」
「どういたしまして」
 二人のやり取りを何となく見てしまい、冬獅郎と桃は真っ赤になって顔を見合し、俯いてしまう。
「あらあら、可愛らしい事」
「二人きりにした方がええんとちゃう?」
「そうね」
 そうして、ギンは乱菊を連れて出て行ってしまう。


「……日番谷君…あの…」
「…あ、ああ…………は!松本ぉ!!!!逃げやがったな!!」
「あれ?」


 まんまと仕事サボりが成功したギンと乱菊でした。






昨年のカラブリで、乱菊もチョコ作りに参加していたので(というか、七緒に教えてた?)
お返しはあるだろうと、考えてみましたw
京七は裏で濃厚なお返ししてますので、他に参加してそうなカプがギン乱だったと言う事でw


20060314〜20060321

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