「ああああ!!」
 七緒は嬌声を上げ春水にしがみつき、春水もまた七緒をきつく抱きしめ続ける。





「…隊長」
「うん?」
「…やきもちも、大概にして下さいね」
「…これは、やきもちだけの問題じゃないと思うんだけど?」
 七緒はぐったりと横たわり、甲斐甲斐しく手拭いで拭ってくれる春水にぼやく。
 勿論春水としては七緒の言い分など、何処吹く風だ。
「人気ありすぎる七緒ちゃんも、気をつけなきゃ」
「……私個人というよりも、あのコーナーだと思うんですが」
「…七緒ちゃん…君ねぇ、自分を過小評価しすぎだよ?」
 七緒の言葉に春水は苦笑いだ。
 春水は逆に自惚れが強いが、それを差し引いても七緒は謙虚すぎる。
 だからこそ、春水が嫉妬してみせるまで気づかない時があるのだが。



 だからこそ…。
「七緒ちゃんは、一人にしておけないんだよね…。ボクの側にいなくっちゃ」
「…だったら、サボらないで下さい」
 無茶なことをいう春水を七緒は睨み上げる。

「それはそれ、これはこれ」
「まったくもう…」

 二人は笑い合うと唇を重ねたのだった。



「懲りない人」
「お互いにね」





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あきゅろす。
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