もっともそれは無意識というか、本能なのだろう。
 強く逞しい雄を欲するという原始的な本能。


 いつしか七緒の閉じていたはずの足は徐々に開いて行き、春水を待ち焦がれるかのようにゆらゆらと腰が動いている。
 たっぷりとまろやかな膨らみを味わった春水は直ぐにその状態に気がついた。

 七緒の体を覆う小さな布は後一枚。
 指先で撫でれば粘る液体が染み出していて、敏感な部分が布越しにはっきり見える。
「ふふ、七緒ちゃん待ち遠しいんだ?」
 指先で撫で回すとぴくぴくと七緒が震え始めた。
「あ、あんっ、ホシイ…あっ」
「う〜ん、いつもこれくらい素直だと良いんだけれどねぇ…どうも」
 そう言いつつも真面目で堅苦しい七緒も可愛いと思っているので、直して欲しいとは思わない。
 普段そっけない分、こうして夜蕩ける様な表情を見ることはとても幸せだし、自分だけの特権なのだと思うと堪らなく欲望がこみ上げてくるのだから。

 小さな布を避けて指を滑らせるとあっさりと七緒の胎内へと吸い込まれていくようだ。
「あ、ああっ」
「うう〜ん…つい数日前も可愛がってあげたのに…ん?まだ日が経ってないから、逆にかな?」
 指を三本に増やしほぐすよう動かしながらも勝手な感想を呟く。
「ふあ、あ、あんっ、ああっ!」
 身悶えする七緒には春水の呟きは聞こえていないようだ。
「参ったねぇ…どうもっ」
 春水は指を引きぬくと七緒に覆いかぶさり一息に身を七緒の胎内へと沈ませた。
「あああっ!!」
 待ちかねた熱く硬い物に満たされて仰け反り嬌声を上げる。
「可愛い可愛いボクの七緒ちゃん」
 耳元で熱く呼び掛けると小さく震えしがみ付いてくる。
「ボクを愛してるって言って?」
「あ、愛してますっ!!ああっ!」
 普段は口にしないような事をねだるとこれまたあっさりと返してくれる。
「可愛い」
 春水は笑顔になり口付けをしながらも腰をゆるやかに動かし始めた。


 春水の望むままに振る舞うのは、決して強制されているからではない。
 普段押し込めている感情が出やすいので、ちょっとの誘導で表に現れるだけなのだ。
 それが自分の導きなので誇らしく嬉しい。

 春水は普段聞けないような言葉を自分への贈り物だと考え、腰を動かし時には止めて甘い言葉を聞こうと導く。

「ボクの事好き?」
「あん、好きっ、大好きっ」
「これも?」
「ああっ、そこぉ」
 顔を赤く染め瞳を潤ませて快楽に溺れながら訴える。

「あああっ!!」
「ん、そろそろ一回気をやろうか?」
「ああああっ、きちゃうっ。きてぇ!!」
「うん、一緒にいこうね」
「あああ!!」
 二人は唇を重ね舌を絡ませながら体を震わせる。春水は七緒の胎内に一滴も零さぬようにと言わんばかりに抱きしめ腰を押し付け、七緒も全てを受け止めると言わんばかりに足を腰に絡ませた。





 お陰で翌日、七緒の声はすっかり枯れていた。
「…んんっ…」
「喉飴舐める?」
「ん」
 痛む喉のお陰で小言が言うに言えない。黙って手を差し出し飴を貰う。
 そんな彼女を見捨てて仕事をさぼるような事はしない。
 ぴったり側にいて七緒の仕事を見守りさぼる。


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