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「あ…………」
 七緒の頭の中は真っ白だ。
 
 七緒は幼い頃から死神になり八番隊に配属された。だが、春水はもう既にその頃から、遙か前から隊長で。
 そんな偉大で大きな人が自分に告白をして、自分の答えを待っている。

 七緒自身も勿論京楽春水は大好きだ。
 隊長としても、人としても。
 男としても。

 副隊長にまで昇り詰めたけれど、憧れだった前任者の力量にはまだまだ適わないとも思い、成長もまだまだと感じている。それなのに、自分を女として見てくれているのだ。

「………はい」
 七緒は長い長い沈黙の後に、小さな声で小さく頷いた。
「七緒ちゃんっ!」
 待ってましたと言わんばかりに立ち上がり、両手を広げ七緒を抱きしめる。
「ああ、良かった。断られたらどうしようかと思ったよ」
 春水の心の底からの深い笑みを見て、七緒も口元に笑みが浮かぶ。

「もう一回キスしてもいいかい?」
 七緒の顎をそっとつまんで顔を上げさせる。
「……さっきの、ファーストキスだったんです。それなのに人前でなんて」
 七緒は頬を染めて睨み上げる。
「七緒ちゃん!ファーストキスだったの!?ボクが初めて!?嬉しいなっ!」
 はしゃぐ春水を七緒が睨みつける。
 七緒こそ本当ははしゃぎたい。憧れの人に告白されて、女として見てもらえてキスされたのだから。
 だが、はしゃごうにも春水の態度がふざけて居るために、ついいつもの感じで叱ってしまうことになる。

「ご免よ。女の子だもんね。ムード大事にしたいよね」
 春水は満面の笑みを浮かべて、七緒の隣に座って肩を抱き寄せ顎を上げさせる。
「……」
 七緒は頬を染めて黙り込む。仕事一筋でただ上を目指してきたので、恋愛に現を抜かす時間が惜しかったのだ。
 しかし、現実に春水に女として見られるとなると、話は変わってくるものだ。
「七緒ちゃん、目を閉じて、唇の力をちょっと抜いてご覧」
 肩に回されていた手がそっと項を撫でる。春水の肩に凭れるような格好になり顎が自然に上がる。

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あきゅろす。
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