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「君の笑顔が、ボクには最高の贈り物だよ。だからボクの好きにさせてくれればいいんだよ」
 春水の台詞に七緒は凍りついてしまった。あまりに気障過ぎて、恥ずかしい。みるみる七緒の顔が真っ赤になっていく。
「は、恥ずかしいこと、おっしゃらないで下さい」
 照れ隠しについ、口調が強くなってしまう。
「七緒ちゃんったら、照れ屋さんなんだから」
 春水は喉の奥で笑い、目を細め七緒を見つめる。
「さあ、冷たい内に」
「あ、はい…頂きます」
 七緒は春水に見つめられている事を、物凄く意識せずにはいられない。
 匙で水羊羹を掬い、口に運び、唇に垂れた蜜を舌で舐めとる様を。

 春水に一挙一動見詰められ、七緒の胸は張り詰め、頂きが痛む程に反応してしまう。

「……隊長っ」
「春水だろ?」
 いたたまれず七緒は春水を隊長と呼び、窘めようとしたが、思いがけず真剣な眼差しで訂正されて、口ごもってしまう。
 先刻見てしまった春水の引き締まった臀部も思い出し、七緒の胸は浴衣を押し上げ、はっきりとその存在を主張しはじめている。
「あ…」
 七緒は我が身に起きている現象に気付き、慌てて隠そうとしたが、春水にあっさりと止められてしまう。
「…七緒ちゃん…可愛い…」
 春水の瞳が欲望に輝いている。
「…あ…あの…」
 戸惑う七緒に春水の顔が近付いてきて、唇がゆっくりと重ねられる。
「んん…」
「ん…七緒ちゃん…」
 唇から離れた春水が、耳元で熱い息を吐きかけながら名前を囁く。
「…君が欲しい…」
「ああ…」
 七緒は身震いして喘ぐ。春水の声だけで感じてしまうのだ。
「…春水さん…」
 自分でも驚く程掠れた声になり、興奮してしまっている事が解り、恥ずかしさが増してしまう。

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あきゅろす。
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