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「…ご免よ…かなり激し過ぎた?」
 春水が怖ず怖ずと様子を伺うと、七緒は溜息を吐き出し箸を置いた。
「…確かに隊長の誕生日でしたし…私も拒みませんでしたから…」
 七緒が春水を名前で呼ばず、隊長と呼ぶ時はあまり機嫌が良くない証拠だ。
「…もう少し休ませていただきます」
 茶だけを飲み喉の渇きを癒すと、敷きっぱなしの布団へ這って潜りこんだ。
 眼鏡を布団の中で外し、腕を伸ばして布団の外へ置くと、そこで力尽きた様子で眠りについてしまった。

「……」
 春水は七緒の様子に渋面になり、頭を苛立だしげに掻いた。

「何をしているんだ…ボクは…」
 隊長と副隊長。男と女では体力の差は歴然だ。
 だが、七緒が拒まない嬉しさから、つい張り切ってしまったのだ。




「…少しは己を知っては如何ですか?京楽隊長」
 冷ややかな視線と声音に、春水は肩を竦くませる。
「恥をさらけ出してお願いしてるじゃないですか。卯ノ花隊長」
 春水が頭を下げへらへらと笑って見せる。丁寧な言葉遣いが卑屈に見せるが、春水は気にしない。七緒の為なのだ。

「これを飲ませて下さい。滋養強壮剤です」
「ありがとうございます!」
 烈の差し出した包みを、掲げるように頂き、大切に懐にしまい込む。
「無理はさせないように」
「勿論」
 大きく頷き立ち去った春水を見送り、烈は呟く。
「どうだか…」



 春水が自室に戻って来ると、七緒はまだ眠っていた。
 疲れからか眉間に皺を刻み眠っている。
 これでは安眠できまいと、春水はふと思い出し箪笥の中を探った。
「あったあった」
 何時だったか七緒を喜ばせようとして、香炉を買った事を思い出したのだ。
 春水の部屋から出勤することを拒んだ七緒の為に。

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あきゅろす。
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