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春水は眩しい太陽の光で目が覚めた。
障子越しで強烈な光は和らいでいるものの、この眩しさは朝日だとは思えない。
時計を見れば正午を示している。
「ああ…」
春水は溜息とも欠伸ともつかない声を上げた。
「…七緒ちゃん…もうお昼だよ…」
自分の腕の中で丸く眠っている七緒を起こす。
「ん〜」
まだ眠りが足りないのか、ぐずり春水の胸元に頭を押し付けてくる。
昨晩…いや明け方まで七緒を抱き通したのだから、無理もない。
誕生日や何かの記念日だけは、七緒が文句を言わないので、つい箍が外れてしまうのだ。
七緒を離したくなくて、七緒の胎内があまりに心地良すぎて。
一時期は、娘と言っておかしくない年の離れた少女に、心奪われている筈はないと、女遊びが酷くなった。
だが、あまりに真っ直ぐな七緒に見つめられ、それは何時しか見せ掛けになった。
つまり、女とふざけるが夜までは付き合っていないと言うことだ。
我慢が限界に達し、七緒に玉砕覚悟で告白をした所、七緒も自分を想ってくれていたと知った時のあの幸福感!
それから幾度七緒を抱いても、次々溢れてくる感情。
普段ふざけてごまかさなくては、隊長職を蔑ろにし過ぎだと叱られ、嫌われてしまいそうなくらいだ。
腹が鳴り苦笑いが浮かぶ。
「…七緒ちゃん、おっきして?ボクお腹空いちゃったよ…」
子供言葉を交えながら七緒を起こす。
「ん…何ふざけて…」
「お腹空いたのは本当だよ。もう昼だもん」
「…昼?」
「そう、正午過ぎたよ」
「……最悪…」
春水の言葉を知った七緒は呻き、両手で顔を覆った。
「何が?」
「……起き上がれません」
「ああ…」
七緒の言葉に春水は笑みを浮かべる。
「七緒ちゃんたら、か弱いんだから」
「…隊長と比べたら、皆か弱いです」
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