おまけ
【矢胴丸副隊長が帰ってきますように】

 幼い七緒の字で書かれていた短冊。
 短冊は本に挟まれていたためか、あまり色褪せていない。
「解ってても、書きたくなるよね」
 春水が微笑を浮かべ、七緒を胸に抱き寄せた形で、蛍の光にすかすようにして見る。

「……信じられなくて」
「わかるよ…ボクもそう思ってたし…」
「…隊長…」
「…七緒ちゃんがあの夜言葉を交わした子だから、縋ったのもあるかも」
「…え?」
「手放せなくなって、いつの間にか惚れ込んでたよ…」

 今更に明かされる春水の想い。
 何よりの贈り物だが…。

「この暗闇や光は、照れ隠しですか?春水さん」
「違うもん」
 即答する声音は変わらないが、心臓の音は違う。
 七緒は黙って微笑み、さらに胸に擦り寄った。




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あきゅろす。
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