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「何です?甘えて」
「…甘えたい気分なの。七緒ちゃんにいじめられたから」
「…気にしてるんですか?毛深いの」
「気にしてないけど…。たわしって言うほど固い?」
「…気にしてるじゃないですか」
 そっと尋ねてくる春水に、七緒が苦笑いを浮かべる。
「嘘ですよ。毛深い割に柔らかめの毛じゃないですか」
「…そう?まあ、他の連中は確かに皆結構つるつるだよねぇ…」
「もう、止めません?その話」
 七緒はこのままではおかしな話になると思い、苦笑いをして止める。
「ん、そうする」
 春水自身あまり気分の良い話題ではないのだろう、あっさりと頷いた。


 風呂を上がり、体を拭うと浴衣へと着替えて部屋へ戻ってくる。
 春水は七緒を抱き上げると、寝台へと横たえた。
「…プレゼントは隊長だとかおっしゃるんじゃないでしょうね?」
「あ、バレた?」
「何時もの事ですし。ただ、そろそろこういうくだらないことをおやめになっても…」
「くだらなくないよ!大切な事じゃないか」
 呆れた表情で見上げる七緒を渋面で見返す。
「まあ、ちょっと性急過ぎたのは認めるけどね。でも、ちゃんとプレゼントもあるんだよ。ただ子の刻過ぎが良いなって思って」
「フフ…こういうことには、慎重でこだわりが有りすぎなんですよね」
 春水は何処か子供地味ていて、それでいて女以上に女心を擽るような事を真剣に考える。少しそういう事の苦手な七緒には、くすぐったくてちょっとだけ困ってしまう。どう、反応して良いのか解らなくて。

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あきゅろす。
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