◇BLEACH if…
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「はぁ!?」
「何ぃ!?」
一角も冬獅郎も唖然として、目前で嬉しそうにしているやちるを見、照れ臭そうにそっぽを向いている剣八を何度も見比べる。
「あの…それって、結婚した…ってことっスか?」
「そうよ!!昨日役場いって、入籍してきたの!!ねー!剣ちゃん!!」
「…ああ」
「…結婚した…のか…」
「そう!あたしは剣ちゃんの奥さん、剣ちゃんはあたしの旦那様!!やーん!旦那様って!!」
やちるはばしばしと、冬獅郎の背を叩く。
「イテテ!!何でわざわざ俺を叩くんだよ!!」
「痛い?夢じゃないでしょ?ウフフフフ」
やちるは完全に浮かれきっている。剣八はあえて咎めもせずに、知らぬ顔でおにぎりを頬張り書類に目を通している。
惚気る仕事はやちるに任せたと言わぬばかりだ。こう言う事はやちるの方が口が滑らかであるし、やちるのペースには誰も付いていけない。剣八が相手をするよりも、話が進むというものである。
現に、一角も冬獅郎もやちるに気圧され、剣八に何も言えないでいるのだから。
「…えらくまた…急っスね…」
「何よ、結婚なんてタイミングよ!タイミング!したいなっと思ったらしたらいいんだから!!それが昨日だっただけ!」
やちるは腰に手をあて、胸を張りきっぱりと言い放つ。やちるに言われてしまうと、それもそうかと思えてしまう。
剣八すら上手い言い方だと感心していた。まさに、そんな心境だったのだ。昨日は。たまたま、結婚の話題が出ていて、やちるとなら、下らないとすら思っていた事でもやってみても良いかと思えてしまったのだ。たった紙切れ一枚で、自分達の関係が変わるのは下らないと思っていたのだが…。やちるの態度の所為だろうか、悪くないと思っている自分に驚く。
やちるの言葉に、冬獅郎まで思わず考え込んでしまった。
「…隊長と、副隊長が付き合い始めた頃依頼の、ビッグニュースっスね…」
「そう?」
「…それで、今日は随分あまーい空気なんですね…ごちそうさまっス」
「うふふー」
「……失礼する…」
冬獅郎はそのまま踵を返して出て行ってしまった。
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