◇BLEACH if…
3
「結婚…か」
「ん?」
「……結婚するか?俺等も」
「…は?」
 剣八の言葉をやちるは目を丸くして聞き返した。剣八の言葉が信じられないのだ。
「……何だ。その顔は」
 やちるの表情に、剣八は渋い顔をする。
「…いや…剣ちゃん…結婚…したいの?」
「…オメーはしたくないのかよ…」
 唖然とした表情を崩す事無く、呟くように問い掛けるやちるに、剣八は眉間に深い皺を刻み、怒ったような表情でぶっきらぼうに返す。
「…したい…したくない訳ないじゃん…」
 ゆるゆると首を振るやちる。問答をしても尚、まだやちるには信じられないのだ。


「気が変わらない内に、役場にでも行くか?」
「行く!!」

 この言葉に急に現実味が出てきたらしい。やちるは満面の笑みで大きく頷き、二人はその足で役場へと向かい、婚姻届を提出したのだった。



「俺が引き金かよ!!最悪だっ!!」
 その事を父親から知らされた一秋は、頭を抱えて喚いた。
「何やったの?一秋君」
 春水に問われ、一秋は恨めしげな表情で、春水を見返した。
「…やちる姉に、プロポーズした…」
「わぁ…一秋君、よく殺されなかったね…」
 剣八の嫉妬深さを良く知る春水は、苦笑いを浮かべて息子の頭を軽く叩いた。
「くっそー!見てろ!ぜってー、十一番隊へ入って、更木隊長に一太刀ぶち込んでやる!!」
「……ははは、まあ、殺されない程度に頑張りなさい」
 春水は苦笑いで、息子を応援するしかない。仮令片思いであっても、一秋の恋は本物だったのだから、否定をすることなどできないのだ。

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