◇BLEACH if…
3
「可愛い七緒ちゃん…」
「…あ…はぁ…」
 春水は羽織っていた着物を、柔らかい草の上へ敷き、繋がったまま七緒を横たえる。七緒の涙を拭い、唇を重ねる。
「…いい?」
「…はい…」
 七緒の返事を聞くと春水は、柔らかな笑みを浮かべ、唇を軽く重ねるだけの口付けを送り、ゆっくりと動きだす。


 七緒は男を完全に振り切るために、春水は男を二度と七緒に寄せないために、あえて見せるように睦み合う。本来、二人供こんな形の見せつけを好まない。だが、それくらいせねばこの男には駄目だと考えたのだ。


 春水が時折七緒を気遣うと、七緒は幸せそうに笑みを浮かべる。春水はそんな七緒の表情が嬉しくて、春水もまた幸せそうに笑みを返す。

 ゆっくりと、全てを満たすように、二人は幾度も軽く口付けを交わしあっては、腰を少しずつ寄せ合う。内緒話をするように、くすぐったそうに笑う。

 ひらりと、桜の花弁が落ちて来た。
 七緒の唇の上に落ち、春水は唇で啄み、桜の花弁を取る。
「七緒ちゃんの唇はボクのだからね」
 桜の花弁にも唇を奪わせないと、春水は笑って言う。
「…はい」
 七緒も微笑み、春水の唇に着いた桜の花弁を指で取り、地面へと置く。


「ち…」
 二人のやり取りに、男は忌々しげに舌打ちをすると、ようやくその場を去って行った。


「もう、邪魔はないね」
「そうですね」

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