◇BLEACH if…
3
剣八の態度にやちるは埒があかないと感じたのだろう。剣八の着物の腰紐を解いていく。
「わあ、大きい」
「やちる」
「いただきます」
言うなり、剣八自身を口に含む。
「ほほひくてひゃいんないね…」
「んなとこで喋んなよ」
無邪気に嬉しそうに、頬張り喋るやちるに、剣八はやはり頭を撫でて溜息とともに、返す。
色気も何もあったもんじゃないなと思う。このままではやちるの願いも叶わないのではないだろうかとも頭を過ぎる。
小さな舌でちろちろと先端を舐める。
その時、12時を告げる鐘が鳴った。それは日付が変ったことを告げるものでもあった。
「あ……」
やちるが鐘の音に顔を上げる。
「やちる?」
「……ごめんね」
「は?」
「つき合わせちゃってごめんね。剣ちゃん」
やちるは剣八の着物を直していく。
「あたしの誕生日終っちゃったよ」
やちるは、にっこりと笑って、剣八を見る。その瞬間、剣八も理解した。やちるは最初から、誕生日に拘っていた。これきりだとも言った。やちるなりのけじめのつけ方だったのだと。
「いいのか?」
「うん。この我がままは今日、あ、昨日か、この日だけだって。ずっと決めてたの。へへ、剣ちゃんに大人にしてもらいたかったんだ」
「………」
「ありがと」
やちるの笑顔に、剣八が動いた。やちるを抱き寄せて、そのまま唇を重ねる。
「んん!??」
やちるがしたような、触れるだけのキスではない。唇を舌でなぞり、やちるに唇を開けるよう促す。やちるが身を震わせて唇を少し開けると、長い舌を口内へともぐりこませる。歯列をなぞり、やちるの小さな舌をみつけると絡ませて吸う。
「ン、ンふ……」
「口付けってのはこうやるんだ」
「……ハァ…剣…ちゃん?」
やちるは目尻を赤く染め、首を傾げる。
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