◇BLEACH if…
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「お腹すいたねぇ」
 布団に横たわりごろりと身体を反転させて、剣八の方へと向く。
「そろそろ来てるか?」
 扉を開けると、部屋の前に膳が二つ置かれていた。
「お、昼飯来てるぞ」
「わーい、食べよ!」
 少しばかり冷えた昼食を食べ終えると、やちるはうとうとと微睡みだす。
「眠いか?」
「ん…ちょっと」
「じゃあ、寝てろ」
「うん」
 朝から昼までの時間で、何時もの夜分は体力を使っている。腹も満たされ、やちるは眠くなってしまったのだ。
 剣八の大きな手で頭を撫でられ、やちるは瞬く間に眠りに落ちていった。



「…うーーん…ふあああ…よく寝た…」
 やちるは上半身を起こし、伸びをすると大きく欠伸をし辺りを見渡す。
「…何、これ!!」
「よう、目が覚めたか」
 丁度剣八が入り口から入って来たところだった。両手一杯に花を抱えて。
 それをやちるに渡すと、隣に座り込む。
「…これ、どうしたの?」
「どうしたって、買ってきたんだろうが」
 渡された花束だけではない。眠っていたやちるの周りにも沢山の花で埋め尽くされていた。
「…ふああ、凄い…」
 やちるは目を丸くして、ただ呆然と腕の中と自分の周りの花を眺めていた。
「……その…紅い…薔薇って花がよ…」
「……これがバラ…嬉しい!!」
 剣八がしどろもどろに説明を仕掛けたが、全てを言わなくともやちるも知っていたらしい。笑顔で剣八を見る。
「…これ、花言葉ってのがいいんだよね!?」
「あ、ああ…らしいな…」
 剣八はあらぬ方向を見て頬を掻く。照れているらしい。

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