◇BLEACH if…
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「…そうか」
 剣八は居心地が悪そうに、身じろぎする。
「一度でいいから、剣ちゃんを頂戴」
 静かに、はっきりと剣八を見据えている。いつもの明るい笑顔は消え、真剣な眼差しだ。
「頂戴って…おまえ…」
「ずっと決めてたの。剣ちゃんが結婚してても、誰か決まった人ができてても、一回だけお願いしたいって」
「やちる」
「これっきりで、いいの。もう二度と言わないから」
「おい」
「だって…、剣ちゃんこういうの好きじゃないでしょ?あたしにだってきっと恋愛感情とかないでしょ?でも、あたしは剣ちゃんがずっとずっと好きなの。お願い」
「………」
 やちるの真剣な告白に、剣八は黙って立ち上がり、襖に手を掛ける。
「……。おやすみ、剣ちゃん」
 やちるは、この結末を予想していたのだろう。引き止める事なく、布団にもぐりこみ、布団の中から剣八へとおやすみの挨拶の声を掛ける。
「……」
 くぐもった声に、剣八は立ち止まり振り替える。やちるは頭まですっぽりと布団の中に埋め、丸くなっていた。
「……」
 剣八は大きく溜息を付くと、やちるの布団を勢いよく剥ぎ取る。
「あきらめんのか?」
「無理矢理は嫌だもん」
 やちるは剣八に背を向け、見ようとしない。
「…………一度でいいんだな?」
 深い溜息と供に感情なく吐き出された言葉に、やちるは跳ね起きた。
「いいの?剣ちゃん」
「何でも言えっつったのは俺だしな」
「ありがとう!剣ちゃん!大好き!」
 やちるは満面の笑みを浮かべて、剣八に抱きついた。
「キスしてもいい?」
「……好きにしろ」
 やちるが上目遣いに確認をする。何を今更と剣八は苦笑いで答える。
「ありがとう、剣ちゃん……」
 礼を言い、やちるは目を閉じて、そっと剣八の唇に、唇を重ねた。少し啄んで、離れる。
「………」
 やちるの可愛らしいキスに、剣八は眉を上げる。

「じゃ、剣ちゃんをいただきますー」

 やちるはパンと両手を合わせると、剣八を勢い良く押し倒す。そのまま、手早く胸元を開け、剣八の胸に唇を落とした。

「くすぐってえな」
「いーの!黙ってて」
 剣八をきゅっと睨み、乳首に吸い付く。
「おい、こらやちる」
「えへへ」
 小さな舌を出してちろちろと舐める。
 やちるの稚拙な舌使いで、興奮するはずもない。乳首に吸い付くやちるの頭を撫でて、剣八はされるがままになっていた。

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