◇BLEACH if…
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「二十三日二十三日…」
 ぶつぶつと呟きながら、日々を過ごす。

 メモは駄目だ。
 見つかったら問い詰められる。
 出してもらえなくなる。

 自分の頭脳は何よりも正確に物を覚えるはずなのに。
 何でこんなに不安なのだろう。

 暦を見つめていると、二十三日に丸を付けたい気分になってくる。

 どうして、覚えやすい二十日じゃないのだろう。
 三日でもいい。一文字は覚えやすい。

「ネム…何をそわそわしているのだネ」
「…も、申し訳ありません…」
「………」
 娘の様子にマユリは目を細める。


 娘は、人形のくせに、十一番隊の三席と恋仲だという。
 
 恋。

 その不確かな代物に娘が囚われようとは。
 これは、より人らしいと、作り手としては喜ぶ所なのか。
 何より可笑しな出来事が、二人が結ばれてからネムの体に異変が起きたことなのだ。

「……マユリ様…」
「何だネ」
「体が…熱いのです……一角さんの事を考えると……これは、不調なのでしょうか…」
「………」
 マユリは答えたくなかった。
 不調などではない。
 だが、ネムに現われるとは思いもよらなかったのだ。

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