◇BLEACH if…
3
 やちるにしゃぶられながら、剣八はしきりと時計と気にしていた。
「剣ひゃん?」
 やちるは剣八を上目遣いに伺う。頭を撫でつつも、自分をみようとしない剣八の様子がおかしいと思う。
「んなところで喋るなって」
 ようやくやちるを見、苦笑いを浮かべる。
「らって…ん」
 やちるとしては剣八の様子は気になるが、離したくないというのもあるのだ。
「…まあいい」
 剣八はやちるの口から離させると、やちるを押し倒し深々と身を沈ませる。
「あんん……。剣ちゃん…?」
 入ったっきり動こうとしない剣八を、やちるはじれったそうに見上げる。
「まあ、ちょっと待ってろ」
「…うん」
 剣八の言う事を疑問に思いつつも、やちるは素直に頷く。


 やがて、除夜の鐘が鳴り始め、剣八はおもむろに動き出した。
 鐘の音に合わせて、ゆっくりと身をぎりぎりまで引いては、肌が鳴る程に勢い良く深く突く。
「あん!!」

 そして、百八回の鐘の音に合わせ終えた頃には、やちるの肌は上気し汗を浮かべていた。瞳はうっとりととろけるように剣八を見ている。
 一方剣八も珍しく、僅かに息を乱していた。
「こいつは…結構来るもんだな…」
「うん…気持いい…」
 普段、獣のように本能のみで動く二人は、こんなにゆっくりと深く味わったことが無かったのだ。
 いつもと違う速度は二人に、いつも以上の快感を与えたらしい。
 二人ともまだ達していなかったが、満足感が押し寄せてきている。

「剣ちゃん…」
「ん?」
「あけましておめでと」
「ああ、おめでとう」
 二人は繋がったまま年を越し。新年を迎えたのだ。
 唇を重ね合わせる。

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