◇BLEACH if…
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 支度が整うと、時間を無駄にする事無く、十一番隊に真っすぐ向かった。
 十一番隊では、お腹の大きな七緒を初めて見、子供を背負い、もう一人を抱いて七緒について行く八番隊の隊長の奇妙な姿を、唖然として見送る。副隊長のやちるがいるので誰一人咎めるものはおらず、執務室に辿りつく。
「八番隊副隊長、京楽七緒です。更木隊長はいらっしゃいますか」
「おう、入れ」
「失礼します」
 七緒が一礼して入ってくる。だが、七緒一人でなく、後ろには子供を背負い、抱いた春水と、やちるまでいた。
 剣八は、やちるを見るなり眉間の皺を深くする。
「お話があります」
「俺はねえ」
 剣八が獰猛に唸る。
「いいえ、更木隊長の為にも、草鹿副隊長の為にもとても大切な話です」
 七緒の毅然とした姿勢に、剣八は怪訝そうに見やり話を促した。
「単刀直入にお伺いします。草…やちるちゃんを何故遠ざけるのですか?」
「てめぇに、関係ねえだろ」
「更木隊長、それをおっしゃっていただきませんと、お話が進みません。恐らくは、私か、夫がアドバイスできると思います」
 七緒の言葉に、剣八は考え込んだ。七緒の言うことに一理ある。この夫妻の知識は豊富で、自分の知らぬ事を知っている。
「……」
「理由をお聞かせいただけませんか?」
 再度促す。
「…やちるに負担だと言われた」
「更木隊長が毎日やちるちゃんを愛することがいけないと?」
「ああ…」
「剣ちゃん…」
「よかったねぇ、やちるちゃん、愛されてるじゃないの」
「うん」
「更木隊長、やちるちゃん、毎日でやちるちゃんが体調を崩したことはありましたか?」
「ないよ!」
「…ねぇな…」
「じゃあ、大丈夫だと思いますわ」
「本当か?」
 剣八が身を乗り出す。

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