◇BLEACH if…
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「こんにちはー!」
「はーい、何方?」
「ちょっといい?」
 十一番隊副隊長の草鹿やちるが、ひょっこりと顔を見せた。
「草鹿さん、どうしたの?」
「あのね、相談があるんだけど」
「どっちに?私?それとも、飲んだくれの亭主の方かしら?」
 相手の言い様にやちるが吹き出す。
「両方」
「お上がりなさいな」
 促されて、中に入る。座敷に通され、お茶とお菓子を出され、さほど待つことなく、家の主人、八番隊の隊長京楽春水が現われた。
 両手に子供を抱えて。
 ここは、京楽春水の私邸である。妻は勿論、伊勢七緒。二人は結婚し、現在二人の子供に恵まれ、三人目がお腹にいる。
「やあ、お待たせ、やちるちゃん、何だったかな?」
「ふえええ…」
 座ろうとして、片手の赤ん坊が泣きだした。
「七緒ちゃ〜ん」
「はいはい、おいで」
 七緒が、赤ん坊を受け取るとぴたりと泣き止む。そのまま座らず赤ん坊を、揺らしてあやす。
「座ると泣いちゃうんだよ、気にしないで」
「あ、はい」
 やちるは我にかえって、返事をする。
「で、ボク等に相談って何だい?」
 空いた片手でお茶を飲み、やちるに話を促す。
「…あのねっ、剣ちゃんがあたしを抱いてくれなくなったの!」
「ぶぅっ!」
 春水はお茶を吹き出し、七緒は危うく赤ん坊を落としそうになった。
「京ちゃん汚い…」
 正面に座るやちるに危うく掛かるところだった。勿論、避けたが。
 七緒が布巾で卓を拭きつつ、やちるを見る。
「…草鹿さん、いえやちるちゃん、一つ確認していいかしら?」
「何?」
「更木隊長と、いつから?」
「あたしの誕生日から」
「それから、毎日?」
「うん、毎日抱いてくれたのに…、ここ一週間ちっとも…あたしに飽きちゃったのかなぁ…」
「いやぁ、それはないと思うけど…」

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