◇BLEACH if…
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七番隊副隊長、射場鉄左衛門は珍しく窮地に陥っていた。
冷や汗を垂らし、壁際へ追い詰められている。
「好きです!付き合って下さい」
そう、告白されたのだ。
無論、告白されたくらいでうろたえる男ではない。
まだ母も健在で、嫁と孫を見たがっているし、まだかと、せっついてもくる。
十番隊副隊長、松本乱菊のように美人でさっぱりとした性格の女性が好みなのだが、なかなかそのような女性はいない。
否、全くいない訳でもない。
現に、今告白してくれた女性は、美人だし、さっぱりした性格だし、乱菊程ではないが胸も大きい。
それでも、鉄左衛門が困り果てるのに、大変大きな事情があった。
「狛村隊長だって、若い奥さんいらっしゃるじゃないですか。私の何が不満ですか?松本副隊長程じゃないですけど、胸だって大きいと思いますし、お酒だって付き合えます。母に似て私も酒豪なんですよ」
にっこり笑った彼女は、その母親にとてもよく似ていた。
卯ノ花烈に…。
そう、鉄左衛門に告白して迫っていたのは、浮竹緑。
四番隊隊長卯ノ花烈と、十三番隊隊長浮竹十四郎の娘なのだ。
その母親が問題だとは、口が裂けても言えない。恐怖の対象なのだとは。
「……」
だが、告白と言う一大事を成し遂げ、興奮が納まってくると、鉄左衛門の様子が解ってきた。
サングラスで表情はよく解らないが、引き締められた口元に、若輩者である自分に汗を流し固まっている。
「……すみませんでした。お時間を取らせてしまって」
緑は勢いよく頭を下げて、背中を向けた。
泣くのは彼の前から立ち去り、見ていない場所でだと思い、奥歯を噛み締めて顔を上げる。
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