◇BLEACH if…
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「あ、母ちゃん食べすぎないでよ。お店閉まっちゃったら困るンだからっ」
「ちぇ〜」
 席に着くなり娘に釘を刺されて、やちるは唇を尖らせる。だが、可愛い娘のせっかくの晴れ舞台を壊すやちるではない、注文は大人しく三品程度で我慢した。


 初っ端から大物の来店で緊張したものの、逆にその後訪れた面々には緊張することなく、対応できたのは救いだったかもしれない。


 一秋は本当に様々な人々に配ったらしい。
 来店しなかった隊長や副隊長を、数えた方が早いくらいだった。
 八千代の級友や、居合わせた客は皆興奮してしまった程だ。


 そして、中でも一番騒ぎになったのは…。

「……えええっ!鉄ちゃん!緑ちゃんといつから付き合ってたのっ!」
 二人連れ立ってきた為に、八千代が驚き大声で叫んでしまったのだ。
 教室内にいた客や廊下を通り掛かった者達が、注目してしまう。
「何だ、騒がしいな」
 そこへ一秋が現れた。
「あ、射場副隊長、緑ちゃん今日は。デート?」
「うん、せっかくだから」
 二人が付き合っている事を妹達から聞いている一秋は、あっさり挨拶をする。
「一秋知ってたのっ!?何であたしに教えてくんなかったのっ!?」
「ああ…今度のデートの時にとか思っててさ。まあ、二人が付き合うって話の時に、親父に三夏に夏四がいたって事で自然に俺の耳にも…」
「…あれは大変だったもん。鉄様が男気見せてくれて、母様の鶴の一声ね」
 一秋の言葉を引き継ぎ、緑が幸せそうに鉄左衛門の逞しい腕に、絡みつく。
「…ちぃっとばかり、騒ぎになったしのぅ」
「後でじっくり聞かせてよね」
 八千代も女の子である。恋愛話は興味津々だ。



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あきゅろす。
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