◇BLEACH if…
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子供達が口々に抗議する。自分達より明らかに良いものだと、子供の目からでも解るのだ。そして母が喜んでいる事も。
「ご免よ。でも今年はどうしても、お父さんお母さんに良い物をあげて、喜んで欲しかったんだ」
春水は子供達の頭を撫で、言い訳をする。
「なんで?」
「昔ね、お父さんとお母さんは、お付き合いしてることを秘密にしててね。お母さんはあんまり素直に贈物を受け取ってくれてなかったんだよ。それを、ちょっと思い出してしまってね。今贈ったらどんな顔をしてくれるかなって思ったら、いてもたってもいられなくって」
嬉しそうな笑みを見せ語る父の姿に、子供達は難しい事は良く解らなくとも、父も母も嬉しい事なのだと思い、許す事にした。
「こんどはぼくたちもいっしょにね?」
「そうだね、来年は一緒に選ぼう」
「わーい!」
「いっしょにえらぶ!」
「いっしょー!」
子供達のはしゃぐ姿に、七緒は幸せそうに見つめている。
「七緒ちゃん?」
今日は七夕。
子供達が楽しみにする行事の一つで、周りが賑やかなのに。自分の誕生日で、家族を独り占めにしている。
「…星よりも」
「うん?」
「織姫と彦星よりも、私の方がうんと幸せだなと、思いまして」
「…七緒ちゃん」
「…今日一日、こうして一緒にいられるのですから」
「そうだね」
寄り添う両親の姿に、子供達が我もとくっ付く。
「しあわせー!」
「そうね、とっても幸せ」
おしまい。
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