◇BLEACH if…
3
「……って、随分物分り良いけれど…本当にいいの?」
 一秋は口調を戻し、やちるに尋ねる。
「あら〜、あたしが剣ちゃんに恋をしたのは、この子よりちょっと大きかったくらいよ?ふふん、片思い歴の長さを舐めてもらっちゃ困るわ」
 やちるは自慢げに胸を逸らし、一秋を見下ろす。
「…おみそれしました!」
 やちるの仕草と言葉に、目を丸くし、吹き出しそうになるのを堪え、頭を下げる。
「…ま、それはおいといても、あたしも女よ。いいじゃない。あたしに未来の八千代を見て、告白して、あたしに結婚させて子供まで作らせちゃうんだもん。凄いじゃない。これぞ浪漫よ!!」
 やちるは瞳を輝かせて拳を作り、一秋を見つめる。
「…浪漫…ねぇ…。俺そういうのうといんだけれど…。寧ろオヤジの得意分野…」
「何いってんの、浪漫を体現しといて!ま、いいわ、秋君がイイ男になって、剣ちゃんに『おとうさん、八千代を下さい』って言ってくれるの待ってるから」
「うわっ、それ言わないでよ!!一番考えたくなかった!!」
 一秋は頭を抱えて卓へ突っ伏す。

「…まだまだ先の話だよな」
「あうー」
 八千代が一秋の手に触れた。
「……小さいな…」
「うん、まだまだだよ」
「俺の手も、まだまだ小さいや」
「だね。あたしより小さい。秋君はまずは死神にならなきゃね」
「はい」
 やちるの言葉に、一秋は神妙に頷いた。



「楽しみにしてるからね」
「はいっ」
 二人は笑顔で顔を見合わせたのでした。




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