◇BLEACH if…
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「…ふぁあ…」
「一秋っ!?」
ぱたりと大の字に倒れてしまった一秋に、八千代が慌てて駆け寄る。
「……緊張した…」
「気が抜けて、腰抜けたか?だらしねぇな」
剣八が呆れた表情で一秋を見下ろす。
「…隊長への打ち込みだけでも、気がどれだけあっても足りないくらいなんですよ。告白付きなんで勘弁して下さい…」
剣八の容赦ない物言いに、一秋は苦笑いを浮かべ、弁明する。
「…一秋…」
「…八千代…手紙、書くな…」
「うん…」
「ちょっと離れるけど、ゆっくり考えてくれ…」
じっと見つめる一秋の瞳に、八千代はある事に気が付いた。ふとしたときに、自分を見つめていた瞳に。
「あれ?え?」
八千代はみるみる真っ赤になっていく。
「何時から見てたのっ!」
気が付けば、この瞳が側にあった事に、今、気が付いたのだ。
「言ったろ、歩き始めた頃ってさ」
「うそ〜!」
「………」
剣八は黙って道場を出ていき、やちるも追い掛ける。
「剣ちゃんが認めちゃって、ちょっとビックリ」
「…俺もだ」
「……あっは!秋君の片思いの長さにほだされた?」
「…そういう事にしとくか」
覗き込むやちるを見下ろし、剣八は肩を竦め苦笑いで返した。
「いくらでも待ってるぜ?」
「う〜!あたしだって一秋好きなはずなのにっ!なんか悔しい〜!」
「はははっ」
「うう〜!」
こうして、ようやく一秋にも春が訪たのでした。
完
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