◇BLEACH if…
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「やちる…知ってたのか?」
「うん。八千代が歩きはじめた頃にね。あたしもビックリしたよ」
「歩きはじめた頃だと!?」
「ええっ!?」
 やちるの言葉に剣八も八千代も驚く。そんなに前から気付いていた事と、しかも一秋もやちるも今まで黙っていた事に。
「副隊長以外には、正直言えませんでした。馬鹿馬鹿しい話だし…」
「何でやちるにだけ…」
「訂正しなきゃ失礼じゃないですか。本当は副隊長じゃなくて、娘さんの方が本命だなんて」
 剣八の問いに、一秋は申し訳なさそうに見上げる。
「……」
 真面目な瞳の一秋に、剣八は毒気を抜かれたのか、斬魄刀を鞘へと収めた。
「…昔から、変わったガキだと思っていたがな。ったく何処まで変わってたんだか…」
「隊長…」
「ま、これに免じてだな…」
 腕の傷を見せ、暗に承諾を匂わせる。
「父ちゃん!良いのっ!?」
「やめろっても、やちるはオメーらの味方なんだろ」
「あったり!さすが、剣ちゃん解ってるぅ〜」
 剣八は溜め息を吐き腕を組むと、やちるが嬉しそうに飛び付く。
「父ちゃんありがとうっ!」
 八千代も嬉しそうに剣八に飛び付いた。

「…はぁ…、最大の難関突破だな…」
 一秋は安堵の息を吐き、姿勢を崩す。
「ん?まだ何かあったか?」
「斑目三席と綾瀬川五席に、後は十一番隊隊員かな…。八千代には一杯兄貴分いるし…」
「……はっ、俺が認めたのに文句は言わせるかよ」
「お〜…剣ちゃん、秋君の味方するの?」
「…俺の娘だろうが、何で他人に口出しさせるんだ」
「ふふっ、剣ちゃんったら、妙な所で潔いんだからっ!そこがまた良いんだけど」
「父ちゃん格好良いっ!」
 妻と娘に誉められ抱きつかれ、剣八は万更でもなさそうに、口元を緩める。

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あきゅろす。
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