◇BLEACH if…
反応1
◇十一番隊にて

「おっす。ん?一秋、どうしたよ。元気ねぇな」
「お早よう。さっき三夏ちゃん来てなかったっけ?」
「…お早ようございます…斑目三席、綾瀬川五席…」
 朝から、道場の片隅で一人ブラックホールを形成していた一秋に、既に隊長格の実力を持ちながら、昇進を断り続けている三席と五席が揃って顔を見せ、声を掛けてきた。 
「うわ、ひどい顔」
 声を掛けられ、顔を上げた一秋の憔悴した表情を見た弓親が、眉根を寄せる。
「おーす!」
「おはよ〜」
「おはよ〜」
 隊長と副隊長まで揃って現れ、道場内の空気が張り詰め引き締まる。
 剣八の背には小さな少女がしがみ付いていて、微笑ましいはずなのだが、剣八とやちるの子供なので、緊張する相手だ。
「「「「おはようございます!!」」」」
 隊員達が一斉に立ち上がり頭を下げる。
「……お早ようございます…更木隊長、草鹿副隊長…、八千代ちゃん…」
 何時もならば他の隊員達同様元気な挨拶をし、同時に剣八に仕掛ける一秋が珍しく元気がない。
「秋君どうしたの?」
「どしたの?」
 やちるが心配して覗き込み、八千代が剣八の背越しに母を真似て問い掛けるが、やはり元気がない。
 やちるは一秋の初恋相手だ。一秋が十一番隊に入ったのは、やちるがいたからと言っても過言ではない。やちると話せればご機嫌になれるし、八千代は十一番隊のアイドルだ、一秋も例に漏れず可愛がっているのだが…。
「何があったよ」
 一角は、座り込んだまま立ち上がらない一秋に、視線を合わせるようにしゃがみこみ、問い掛けた。
「三夏が、付き合うって……」
「何だ?オメー、シスコンだったのかよ。妹の交際くらいいいじゃねぇか」
「そうよ。三夏ちゃんだって、男の一人や二人付き合ったっておかしくないじゃない」
 一角とやちるが三夏の肩を持つが、弓親がある事に気付く。
「ん?君にわざわざ報告にきたって事は、京楽隊長もご存じってことかい?」
「……ご存じも何も…、許可得たって…」
 一秋は溜め息と共に、弓親の疑問に答えた。
「…よく許したな。娘莫迦のあいつが」
「ほーんと。よっぽどできた相手なのかな」
 剣八も軽く驚きの表情を見せ、やちるも首を傾げる。

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あきゅろす。
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