◇BLEACH if…
交際許可3

 暫し、誰もが何も発言しない気まずい時間が流れた。


「…………狛村君なら、知らぬ人でもなし…」
「お父様…」
「…………ううううううう」
 小さく呟いた春水の言葉に、三夏が素早く反応するが、春水は頭を抱えてしまう。
「……あなた…」
 七緒がそっと後押しをする。
「…………三夏ちゃんが泣く姿を、見たくないからだからね」
 春水が恨めしげに左陣を見上げる。
「うむ。泣かせないと誓おう」
「…………み…とめる…なんて言いたくないーーー!!」
 往生際悪く足掻く春水に、七緒が呆れた表情で見上げる。
「この人流の交際許可の言葉ですから、お気になさらずに」
 七緒は苦笑いを浮かべ、左陣に許している事を伝える。
「……感謝する」
 左陣は深く二人に頭を下げた。



 交際を認められ、初めて三夏は、自分の部屋へと左陣を招き(無論、両親の許可を取って)二人きりで話をしている。


「まさか、だよねぇ…」
「はい…」
 春水と七緒は、溜息を吐きながら、お茶を啜る。
「…狛村隊長では、交際反対する理由が浮かびませんものね…」
「強いて言えば、年齢かねぇ…」
「……年齢など、たいした理由になりませんでしょう」
「……まぁねぇ…」
「…あら。でも私より年上の息子になるのかしら」
「七緒ちゃん!!」
 妻の言葉を春水が慌てて止める。
「そんな先の話は、まだしないでよ!!」
「……直ぐそこの話のような気もしますが」
「考えたくないっ!!」
 耳を塞ぎ首を振る夫の姿に、七緒は呆れ顔で見返す。
「まあ、どちらにせよ、少し荒れそうですわねぇ」
 七緒はお茶を啜り苦笑いで呟いた。



 こうして、瀞霊廷に新しいカップルの誕生し、一段と賑やかになるのでした。





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