◇BLEACH if…
交際許可2
 言葉を選び迷いながらもしっかりと用件を伝えると、顔を上げ二人の返事を待つ姿勢になった。

「……狛…村君と…三夏ちゃん?」
「…三夏さん?」
 春水と七緒は、左陣と娘とを何度も見、呆然と互いの顔を見合わせた。
「…ちょっと待った、え?三夏ちゃんからって言った?」
「はい」
 娘はしっかりと頷くが、春水はそれでも尚まだ信じられず、呆然と見つめ返す。
「……何時から?」
 七緒の方が立ち直りが早かった。娘に質問をする。
「…小さい頃からなの…。小さい頃も一度告白したのだけれど、その時狛村隊長は丁寧に断って下さったの。けれど、私、やっぱり諦められなくって…。死神になってから、もう一度告白したら、お父様とお母様の許可を頂ければと、おっしゃって下さって」
 三夏が頬を染めつつ、嬉しそうに母親へと答える。
「そう、だったの…」
 七緒は微笑を浮かべ頷き返し、左陣を見上げる。
 左陣は緊張した面持ちで、挨拶以降一言も口を挟まず親子の会話を見守っていた。
「…狛村隊長」
「うむ」
「……誠実に対応して下さり、感謝します。ですが、二度告白されたからと言って、惰性に流されている訳ではないのですよね?」
「…ここまで成長しても尚、一途に儂を想ってくれていたのだと想うと…。正直悪い気はせぬ。だからと言って、同情という訳ではない」
 七緒は失礼だと思いながらも、はっきりと尋ねた。やはり娘は可愛い。心から思っていないのに、付き合ってもらっては困るのだ。
 だが、左陣は真剣な眼差しで見つめ返し深く頷いた。
「だから?」
 それまで、何も反応できずにいた春水が、ずばりと切り返す。
「…このまま側に置きたいと湧き上がった気持ちは、愛しいというものではないかと思うて…。ただ、やはり儂は容姿も立場も特殊ゆえ、ご両親の許可を得てと思うたのだ」
「………友達から、交際?」
「……それは、そのこの年の差で、友達からというのは苦しいと思うのだが」
「……はぁ……」
 迷いながら、困惑しながらの左陣の発言に、春水は大きく溜息を吐いた。

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