◇BLEACH if…
交際許可1
 八番隊隊舎の一角に作られた京楽邸。八番隊隊長と副隊長夫妻と、夫妻の子供達の住む家がある。

 この日、京楽邸はちょっとした緊張に包まれていた。
 真央霊術院を卒業し、死神となった長女が久し振りに家に帰って来て、爆弾発言をしたのだ。

「お父様、お母様、私お付き合いしたいと思っている方がいるの」
「嫌だ!!駄目駄目!!」
「あなた」
 春水は大きく首を振り耳を塞ぎ、娘の交際を反対する。七緒は夫をたしなめて、娘を見遣る。
「…でも、珍しいわね。そんな順序立てて…律儀な方がお相手なのかしら?」
「うん…とっても。私が告白したら…、お父様とお母様の許可が取れたら、付き合おうとおっしゃって下さったの」
「可愛い三夏ちゃんから付き合って下さいって言って、即答しなかったってのか?何て奴だ!」
 先刻は娘の交際を反対したばかりなのに、今度は娘の発言の違う所に反応し憤慨している。
「…今、お待たせしているのかしら?」
「はい」
「入っていただきなさいな」
「はいっ」
 母の言葉に三夏は嬉しそうに頷き、外へ待たせている愛しい人の元へ走った。
「……あなた、顔を見るなり怒らないで下さいよ?先方も筋を通そうとしているんですから」
 七緒は苦笑いで夫を諭す。

「どうぞ、お入り下さい」
 娘の言葉遣いに春水と七緒は顔を見合わせた。どうやら年上であり、地位も上の者らしい。
「…失礼する」
 背を屈め敷居を跨いだのは、夫妻も良く知る人物であった。

「狛村君!?」
「狛村隊長!?」

 左陣は驚く二人の前に座り、頭を下げた。

「……なんと言っていいのやら…。儂と…その、こちらのご息女の三夏殿との交際をお許しいただけまいか…」

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あきゅろす。
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