キスまでの距離
『ねぇおチビさん。キスして?』
そう唐突に言われたのは10分程前だろうか。
初めは勿論断った、断ったはずなのに…
「ほら早くしてよぅ」
まんまと挑発に乗せられてこの状況。
真正面、殆ど添えられているだけの両の腕、なのに振り解くことが出来ない。
エンヴィーの華奢な細い腕がオレを左右から捕らえて逃がしてくれない。
オレの腕はと言えば露出された肌に冷たい機械の腕で触れていいのか分からずに、腰の高さまで上げられたまま情けなく行き場を無くしている。
「う、…うるせぇ!」
頭に掛かる催促の言葉と眼差しに負け、意を決して腰を掴んだ。
グッ
その瞬間、引き寄せられた躯。それまでの隙間を失い密着する腰。
「おま…ッ」
「つーかまえた♪」
反射的に顔を上げれば絡む視線。
「ねぇ、キス。してくんないの?」
「〜っ!!」
視線は絡めたままおねだり子猫のように傾げられる首。
あぁダメだ、もう耐えられない。
「…目ぇ、閉じろ」
「んv」
素直に伏せられる瞼。
もう後戻りは出来ないらしい。
間。
…ちゅ。
少し背伸びをして一瞬触れるだけのキス。
「こっ、これで良いだろッ!!」
「うん!へへ…v」
弛みきった笑み。
たったこれだけのことなのに、こいつはなんでどうしてこんなに幸せそうに笑うんだろう。
とりあえず
「わっ?」
胸に額を押し当てて、熱くなった頬を隠した。
…頭に乗せられた手と腑抜けた笑い声がむかつく。
×××××
某所の某絵師様の萌絵すぎる作品を見ての妄想文でございます(笑)
甘い妄想も大好きv
今日のFAは…orz
10/2/7
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