優しい嫉妬 何度も身体を重ねた。 暫らく来ないと思えば毎夜現われたり、会えば情事だけを重ねて陽が昇る頃には消えている。 事の痕が残るカラダ、けれど一人の、独りだけの温もりしか感じられない冷めたベッドが虚しい。 淋しい、なんて言うつもりはない。 けれどこの気持ちはなんだ、わからない。 もどかしい。 ある晩のいつもの行為の最中、問うた。 “何故唇を重ねないのか”と。 驚いた表情の次は苦笑い、と痛い笑顔。 「そこは本当に好きな人にとっときなよ」 散々抱いておいて何を今更なことを抜かすのか。 夜明け前、消え行こうとする裾を掴んだ。 「あの…だ、なッ」 わかった。 オレはこいつが。 「なぁに?」 甘ったるい声。声が出ない、言葉が見つからない。 気まずい沈黙、定まらない焦点。 頬が熱い。 「ッ、……もう少し、居ろよ」 唇を重ねたのは、 悔しいけど、 …オレから。 ××××× たまにおチビさん目線で書いてみよう、の失敗(笑) うちの中でのエンエドがどうなってるか知りたい! 11/20 [*前][#次] |