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アグロバクテリウムの愛情






ある日、俺は感染していることに気付いた



いつ感染したのかは知らない



いつの間にか

こぶが出来ていた




それの原因となったものはいくらでも浮かぶ


その全てはアイツの所為



ただお互いの存在を確かめるためだけの絡みから


生まれた産物




憎かった

殺菌したかった



でも死滅するためには

あまりにも小さく


俺が死ぬしかなかった



どうせなら愛剣に制裁してもらおうと手を伸ばした




見つからない


確かにあったはずなのに





泣きながら捜しても


奴が応えることはなかった




かわりに応えたのは


やっぱりアイツで



いくら振りほどいても
勝手についてきて


紅で俺を拘束する




なんで


そう問えば

紡がれるのは暴言と愛だけ



偽りの愛なんて要らない



頬に走る電気信号は

脊髄を通り

脳を通り


俺に寄生している
アグロバクテリウムにも


きっとこの信号は届いた




それが何を意味するか

分かっただろうし


ふわりと感じた温もりだって
分かんないはずがなかった


溢れ出た涙は

優しくこぶを撫でた






俺の体を蝕んで

こぶの中で育つアグロバクテリウムよ





どうか


俺が枯れない程度に





どうか


俺とこの人に







永遠の愛を






アグロバクテリウムの
(それは俺とお前の愛から生まれた感染症)



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わかりづらいかもしれませんが、妊娠ネタです。
アグロバクテリウムはあくまで例えなので、絶対に自分の子供を菌呼ばわりしないでくださいね

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