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たった一度だけでいいから、※R15

※R15









仕掛けたのは、俺だった。

別に欲求不満だったわけじゃない、……って言ったら嘘になるかもしれないが、本当に不満だったわけじゃない。


「…んッ…ふ、」

「っ…ユウ、また上手くなったね…」


どっちかって言うと、ラビの方が欲求不満だろう。
本人もそう言っていた。
口の中に辛うじて収まっているモノもそれを物語るように脈打っている。


「っ、ユウ…離してさっ」


俺の頭を離すために額に手を当てられた。
でも、俺がこれを止める気なんて更々ない。
そのまま、口をすぼめて思いっきり吸ってやれば、うっ、と呻いて苦しそうな顔をした。
あと一押し。

垂れ下がっている自分の髪を耳にかけ、上目使いで根元を扱きながら更に強く吸ってやる。
ラビがこの一連の動作に弱いということは既に知っていた。


「くっ、あ…!」

「んふっ!…んぐ…」


相変わらず、この粘っこい液体はしつこく喉に張り付くわ変な味はするわで全く慣れない。
じゃあ飲まなきゃいいって思った時もあるが、それでは自分が満足しないことがわかった。

荒い息で、おいで、と言われ、ラビの横に寝転がった。
見つめていると、頭を撫でられ、額や頬にキスが降る。
決して口にすることはない。


「どしたの?なんか今日のユウ積極的さ」

「…別に」


服の裾から手を忍び込ませ、背中を撫でながら、ラビの胸に顔を埋めた。

たいていはラビが俺を押し倒して行為に及ぶから、俺が積極的に見えても仕方ないかもしれない。
別に俺が積極的になってるわけではない。
目的のためにしていることだ。


「なぁ、ラビ…」

「何さ」

「愛してる、って…言えよ」


我ながら女々しいと思う。
自分からその言葉を望むなんて、本来なら真っ平御免被る。



「愛してるよ、ユウ」



そんな困惑したような顔で言うなよ。
どうして自分を偽り続けるんだ。
ブックマンだからなのか?
そんなのどうだっていいだろ。

本当はな、知ってんだぜ。
テメェが俺をどう思ってるかなんてな。
バレバレなんだよ。
無理に嘘つくから余計に。


俺が好きなんだろ?
でなきゃ、男とセックスなんてしねぇだろテメェは。

つかこんなことする前にやんなきゃなんねぇことがあるだろうが。
身体だけの関係なんて、もう我慢なんねぇ。



早く言えよ、バカ。













その嘘吐きな口から、お前の本音を聞きたいだけなんだ。







───────────────
…ギリギリセーフだよね;;


女々しいユウも好きだ!

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