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キスって苦いもんなんだな(ティキ神♀

※学パロ
※女体化












「先生、いるか?」


神田はノックもなしに準備室のドアを開けた。
電気をつけていない室内は奥にある窓から入って来る陽射しのおかげでほんのり明るい。

その窓の桟に腰をかけ、外を眺めながら煙草を蒸している人物がいた。


「お、どした?」


声に気付いて振り向いた彼は窓から離れ、神田に近付く。


「どうしたって……俺に運んで来るように言ったのアンタだろ」


神田の手にはクラス40人分のプリントがある。
それは社会専攻のティキから出された宿題だった。


「あーそうだったな。サンキュ、ユウちゃん」

「その呼び方やめろっつってんだろうが、この天パ!」

「うん、神田もやめようなぁ」


ティキは煙草を持っていない方の手で宥めるように神田の頭を叩いた。


「…学校で煙草吸っていいのかよ」


その手を振り払うようにして、神田はデスクにプリントを置いた。


「んー、ダメ。でもここ俺の部屋みてぇなもんだからいいの」

「ダメ教師だな」

「言うこときついなぁ」


そう言いながらも、まだ長い煙草を口元へ運ぶ。
呆れたような目をして、神田はドアに手をかけた。



「そういや神田、お前昨日D組の白髪少年に告られたんだって?」


背中から聞こえた声に思わず振り向いた。

ティキは生徒の色恋沙汰が好きなことで有名だった。


「女子の情報網ってのは半端ないねぇ」


そしてその情報源は、周りに群がる女子達だったりする。


「で、どこまでいった?」

「…何が」

「セックス」


神田の目が見開いた顔を、ティキはにやけながら眺めている。
神田の顔が見る見る赤く染まっていく。


「誰があんなモヤシなんかと…!!第一、せ、せっ…っ」

「セックス?」

「っ、んな事子作りのためにするもんだろ!それに俺はヤツと付き合ってねぇ!」

「あ、そうなの?」

「当たり前だっ!!」


今度こそ準備室から出ようと再びドアに手をかけるが、


「んじゃさ、キスとかもまだだったりするわけ?」


ティキからの質問は止まない。


「テメェ…セクハラ発言もいい加減にしろよ」

「いいじゃん。たまには神田とコミュニケーションとらないと」

「…全く、よく言うぜ」


ついに痺れを切らしたのか、神田は指の関節を鳴らしながらティキへと近付く。
そして襟元を掴んだ。
もう逃げられない。


「え、ちょ、待てよユウちゃん。暴力はよくな…」

「うるせぇ」


掴んだ襟元を引き寄せ、そしてそのまま、

乱暴に唇を重ねた。

それはキスという行為には遠いような、口と口とのぶつかり合いのようにも見える。

しかし、ティキは確かに唇の柔らかさを感じていた。

引き寄せられた時に、危ないと思い少し離していた左手から、ぽろりと煙草が落ちた。


「これで"まだ"じゃない」


離れた神田が俯きながら呟いた。
上から眺めてわかるのは、彼女の耳が赤いことくらいだった。


「なぁ先生、」

「…あ?」


まるで声を出すことを忘れていたかのような気の抜けた声が出た。

その時にはもう、神田は準備室のドアを開けていた。

してやったり、というような微笑を浮かべ、







そう言って神田はドアを閉めた。

廊下から、走っていく音がする。




「あー…嵌められたな、こりゃ」




床に落ちたそれを灰皿へ。
散らばった灰はティッシュで軽く拭き取る。


笑いを堪える中、二本目に火をつけた。


(キスの甘さを教えてあげなくては!)



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一応、ユウちゃんはティキ先生のことが好きです←

ティキの口調がわからない…orz
もっと勉強せねば!
つかティキ変態だな←

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