小説(短編&ドール小説)
アルテミスとカリスカーラA
「まぁ、戴くけども」
間もなくカリスカーラの前にティーカップは置かれる。
白い湯気とともに甘やかな香りが鼻孔を擽り、カリスカーラは誘われるように手を伸ばす。
「はぁ〜、落ち着く」
一口飲み満足げにソファーに凭れた。
「お疲れかしら?」
「んー、まあ、そんな大袈裟な話じゃないんだけどねぇ...」
「徹夜か何かかしら?」
「そう言う訳。何とか仕事が終わったところよ」
首をゴキゴキと左右に動かし、肩を揉む姿を見るとかなりの疲労感をアルテミスも感じる。
「また自宅に帰らないで、真っ直ぐ家に来たのね..。」
「だって私の部屋汚いし〜」
今更注意をしないくらいに彼女は幼い頃より片付けが苦手であり、今で言う片付けられない女であった。
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