小説（短編&ドール小説）
Ⅰ：ああ、何て愛しいの―アムール―＜フィナリー・パレス＞
ああ、愛しい、愛しい。
愚者の群れが奈落に堕ちて行く様子が・・・。
ああ、愛しい愛しい。
汚れた魂、醜悪な美しさ。
苦しみにのたうちまわり、苦悩は魂を更に奈落に落とし、それでも生に執着する。
未完成な命だからこそ眩しいほどの美しさを放つのね。
醜い醜い世界で、一握りの純潔さも背負った罪には撃ち抜かれてしまうわ。
世界は純潔を許さないの。
行きつく先は汚れ落ちた人間に満たされて、迷わない終末。
もっと苦しんで、貴方の悲哀に充ちた絶叫を聴かせて。
愛を囁くように。
私へと届くように。
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