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小説(中編)
―4―
 静寂が続いた。
 誰も何も発っせないまま、暫く。
 その間、オリフラムは愛しげにテレシアの頬を撫でていた。
「姉上、少し二人にして差し上げよう?」
「え、えぇ…そうね…」
 泣き疲れたように悲しげに微笑む。
 そんなイシュタルを見たシーヴァスには、オリフラムとはまた違う怒りが芽生えていた。
 けれどそれを隠し、力が抜けたようになっているイシュタルを支えながら一室を出る二人。
 シーヴァスは扉を出る瞬間にほんの少しだけ視線をオリフラムに移しただけで声を掛ける事はしなかった。
 その時のシーヴァスの眼には、悲しみとは別の光を湛えていた。

 テレシアに相応しいユリとアイリスが敷き詰められた柩。
 ユリは彼女を連想させた。
 オリフラムにとって彼女は、純潔、深情の象徴であり、人を信じさせてくれた女性でもあった。

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あきゅろす。
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