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その4








あの、人を食ったような笑みで「お前らが溺れたら誰が助けれんだよ」と言った。つけ加えて、まずいらしいから食べるとしたらどう調理するか悩む、なんて言うサッチの言葉が暗に自分達のためともとれて。最近身につけた完全無視というスキルを持って、エースは船内を出ていってしまった。しかし耳どころか背中までが赤く染まっていて、照れ隠しだということはバレバレだ。

なんとかな子ほど可愛いなあと顔を緩ませながら、サッチは戦利品片手に自分の船へ戻る。マルコや自分達と離されて不機嫌になっているだろうあの子供は、きっと珍しいものが好きだから多分喜んでくれるはずだろうから。果たしてどんな反応が帰ってくるのだろうかと楽しみにしながら、サッチは悪魔の実を持って風呂場へ向かう。身体中の血生臭さを落とさないと、ペチーノには会えない。





「よう、サッチ!」
「ティーチか…眠いからまたあとでな」






ふとすれ違った、にやりと笑う親友とも呼べる船員にふあ、とあくびをして彼が出てきた風呂場へと姿を消す。その背中にじとりと突き刺さる視線があったことなど、少しも悟ることなく。




ちなみに、あの敵船がもちろん炎によって沈められたのは言うまでもない。そして、その炎の色が明るい橙と冷ややかな蒼をしていたことも。








(物語に介入、波乱が起きる予感)








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あきゅろす。
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