あ
きゃらきゃらと楽しげな声が走り回る足音とともに音楽を奏で、サウザント・サニー号のあちこちで響いている。そして、それは青々とした芝のカーペットに覆われた甲板で、ぴたりと声が止まって言葉を紡ぐ。
「わたがし!」
「白玉だんご!」
「ご…ご…ごー…」
「“こ”でもいいぞ」
「こ…こーひーせり!」
「ゼリーな、ゼリー。次はルフィだぜ」
「リトルガーデンで食ったにく!」
「長っ!つか、おやつじゃねえし!」
4つの声はどうやらしりとりをしているらしい。しかもおやつと言うくくりで。中でもいっとう大きな声が「にく!」と叫んで怒られていた。船長のルフィがルールを守らなくてどうすると目くじらを立てるウソップに、お子さまのチョッパーとナマエが高い笑い声をあげる。
それはキッチンでおやつを作っているサンジの耳にも届いて、思わずくすりと笑みをこぼしてしまった。その様子を見ながら紅茶を飲んでいたブルックも、(耳はないのだが)耳聡く笑い声を拾ってカクカク笑う。
「催促されてるみたいですねえ」
「全くだ…あ、ガキども呼んできてもらっていいか?」
「ヨホホ、お安いごようです!」
どうやらおやつができたようだ。空になったカップを渡しながらさっと立つと、ブルックは身をかがめて外へ出る。そして甲板の中心で騒いでいる子供達の側へ近づく。
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